インテリアで有名なウィリアム・モリスの展覧会に行ってまいりました。
モリスの壁紙で使われた柄がプリントされた布地も販売されているので、かばんやお洋服などソーイングに活用されている方もよくお見かけします!
私も昔から大好きなので、川島セルコンさんから発売されているモリス柄のカーテンを、いつか部屋にかけたいなあと夢見ています。
モリス商会で作られた実物を拝見したく、奈良県立美術館まで行ってまいりました。
近鉄奈良駅を出ましたら、鹿とせんとくんの写真スポットがありました。
奈良でお寺めぐりも楽しそうですね。夏休みに改めて家族で行ってみたいです。
美術館までの道のり、10分程度だと思うのですが、芝生の上で鹿がくつろいでいました。
目が合うと近寄ってきたので慌てて逃げました(汗)。餌がもらえると思ってたのかな?
数年前に奈良公園に行った時に、鹿の出産を見たことがありますが、ちょっと感動しました。
いつもは外国の方が多い奈良駅周辺ですが、今回は全く見かけませんでしたし、日曜でも人はまばらでした。
奈良県立美術館の前にもせんとくんがいました(笑)
こちらは初めてお伺いしたのですが、公民館のような雰囲気の時代を感じる建物でした。
中は広くて綺麗な美術館でした。
ウィリアム・モリスは社会運動家としても有名です。
産業革命で大量生産された質の悪い商品を批判し、中世の職人技や芸術を生活に根付かせたいと、アーツ・アンド・クラフツ運動を提唱しました。
この精神は、日本の民藝運動をはじめ、世界中のデザインや物作りに影響を与えたと言われています。
今回の展示会では、主にモリス商会で作られた製品と、モリスが住んでいた家の写真や映像が展示されていました。
デザインはもちろん美しく、職人としての才能も素晴らしいのですが、やはり経営力のある実業家であったのだと思います。
展示された別荘写真の解説を拝見しますと、師匠のモデルであった方とご結婚されたけれど、後に師匠と奥様との関係性に悩んでおられた様子が見受けられました。
いわゆる三角関係だったのでしょうか・・・。オブラートに包んだ表現でしたので想像でしかありませんが(汗)
壁紙は何度もインクが重ねられて印刷されているのがわかります。
当たり前ですが、本当に紙に印刷されていたんですねえ!イギリスのたくさんのご家庭のお部屋を彩られていたことでしょう。
テキスタイルもたくさん展示がありました。
人気の「いちご泥棒」ですが、青い部分以外を抜いて、まず藍で染められているそうです。それから赤や黄色の染料を重ねて染めているとか。かなり手が込んだ手法で染められていたんだなあと思いました。
手がかかり高価になっても、当時も人気でとても売れたそうです。
敷物になるような織物も素晴らしかったです。
かなり手が込んだ模様がデザインされ、職人さんも時間をかけて織られていたようです。
モリスさんは「生活に芸術を根付かせる」という思想をお持ちだったようですが、実際には富裕層しか手にできない、とても高価な商品だったのではないかなと想像いたしました。
また驚いたのは、本や書体も制作されていたということ。
こちらも中世の雰囲気が詰まった、とてもエレガントなデザインでした。
グラフィックやブックデザインなどをなさっている方にとっても、とても貴重な展示ではないかと思います。
展覧会は2021年8月29日まで。
モリスの世界観がお好きな方は一度覗かれてはいかがでしょうか?